新しい住まいや建物の工事が始まるにあたり、地鎮祭は工事の無事と建物の永続を祈願する大切な儀式です。
施主として、この神聖な場にふさわしい準備を整え、滞りなく儀式を進めたいとお考えのことでしょう。
初穂料の相場や、当日用意すべきお供え物、そして失礼のない服装や儀式の進め方など、施主が知っておくべき具体的なポイントを解説します。
この情報をもとに、安心して地鎮祭を迎え、新たな門出を祝う一助となれば幸いです。

地鎮祭の準備施主が用意するもの
初穂料の相場と渡し方
地鎮祭においては、神主へのお礼として初穂料(はつほりょう)または玉串料(たまぐしりょう)を納めるのが一般的であり、その相場は地域や神社によって異なりますが、おおよそ1万円から3万円程度が目安とされています。
この初穂料は、神職への謝礼金であり、お供え物とは別に用意するものです。
準備する際は、新札を用意し、白色の封筒または専用の奉書紙に包むのが丁寧な作法です。
封筒の表書きには「御礼」「御礼銭」「玉串料」「初穂料」などと記し、その下に施主の氏名を記入します。
当日は、受付にて渡すか、神主へ直接手渡ししますが、タイミングは神職の指示に従うか、事前に神社へ確認しておくとスムーズです。
お供え物は何が必要か
地鎮祭でのお供え物は、工事の安全と土地の神様への感謝を示すために用意され、一般的には「海の幸」「山の幸」として、米、酒、塩、水、魚、果物、野菜などが用いられます。
特に、米、酒、塩は基本的な三品として欠かせない場合が多く、これに地域や慣習に応じて、鯛などの魚介類、季節の野菜や果物などを加えます。
これらのお供物一式は、施主側で手配する場合もあれば、神社側で用意され、初穂料に含まれている場合もありますので、必ず事前に神社へ確認することが重要です。
費用としては、数千円から数万円程度が一般的ですが、内容は神職と相談しながら決定するのが良いでしょう。

地鎮祭当日の服装と基本的な流れは
施主の適切な服装
地鎮祭における施主の服装は、儀式の格調にふさわしく、かつ工事関係者の方々にも失礼のない装いが求められます。
男性の場合は、ダーク系のスーツに白や落ち着いた色のネクタイを着用するのが最も一般的で、清潔感のある装いを心がけましょう。
女性の場合は、スーツやワンピース、アンサンブルなどが適しており、過度な露出を避け、上品な印象を与える服装を選びます。
カジュアルすぎる服装や、サンダル、ジーンズなどは避けるべきです。
また、夏場は涼しげな素材のスーツや、冬場は防寒対策としてコートなどを着用することも考慮し、季節感も考慮した服装選びが大切です。
玉串奉奠など儀式の進め方
地鎮祭当日は、まず手水(ちょうず)で手と口を清め、神職による修祓(しゅばつ)でのお祓いを受けます。
その後、祝詞奏上(のりとそうじょう)によって工事の安全と地域への感謝が神に伝えられ、地面に鎮め物を埋める「鎮物埋納(しずめものまいのう)」の儀式などが行われます。
施主が中心となって行う儀式の一つが「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」です。
神職から玉串を受け取ったら、右手に葉先が左を向くように持ち、左手に玉串の根元を持つようにして、祭壇に進みます。
玉串を神前に供える際は、時計回りに回して、根元を祭壇の方に向けて置きます。
その後、二拝二拍手一拝の作法で玉串を捧げ、最後に祭壇に玉串を置きます。
一連の流れは神職が指示してくれますので、落ち着いてその指示に従いましょう。

まとめ
地鎮祭を施主として執り行い、工事の無事を祈願するにあたり、初穂料やお供え物の準備、当日の適切な服装、そして玉串奉奠をはじめとする儀式の進め方について解説しました。
これらの準備をしっかりと行うことで、神聖な儀式に敬意を払い、工事関係者の方々とも良好な関係を築くことができます。
心と物両面での準備を万全にし、工事の安全と建物の末永い繁栄を祈願する地鎮祭を、厳かに、そして晴れやかにお迎えください。