• 2025.06.10
  • #家づくりコラム

保留地と仮換地の違いとは?不動産投資家が知っておくべき区画整理事業

保留地と仮換地の違いとは?不動産投資家が知っておくべき区画整理事業

土地取引に携わる不動産投資家の皆様にとって、区画整理事業における「保留地」と「仮換地」は、重要な概念です。
これらの土地は、通常の土地とは異なる性質を持つため、理解を深めることで、より効果的な投資判断を行うことができるでしょう。

今回は、保留地と仮換地の定義、役割、そして両者の違いを明確に解説します。
区画整理事業における位置づけについても簡潔に説明し、皆様の疑問を解消できるよう努めます。

保留地の解説

保留地の定義とは

保留地とは、土地区画整理事業において、換地として地権者に割り当てられることなく、事業施行者が保有する土地のことです。
事業施行者は、道路や公園などの公共施設の整備、事業費の調達のために、事業地の一部を保留地として確保します。
換地に割り当てることを保留する、という意味合いを持っています。

保留地の役割とは

保留地は、主に以下の2つの役割を担っています。
1つは、公共施設用地としての確保です。
道路、公園、学校などの公共施設を整備するために必要な土地を確保します。
もう1つは、事業費の調達です。
事業施行者は、保留地を売却することで得た収益を、事業費に充当します。
これにより、地権者への負担を軽減することができます。

区画整理事業における保留地

区画整理事業では、まず既存の土地(従前地)を整理し、新たに道路や公共施設を整備します。
その上で、残りの土地を地権者に換地として分配するわけですが、その際に、公共施設用地や事業費の調達のために、一部の土地を保留地として残しておくのです。
保留地の面積は、事業計画によって異なります。

仮換地の解説

仮換地の定義とは

仮換地とは、区画整理事業の期間中、地権者が従前地の代わりに使用できる土地のことです。
区画整理事業は長期間にわたるため、地権者が土地を使用できない期間を解消するために、仮の土地として指定されます。
多くの場合、仮換地は最終的な換地(本換地)と同じ場所になります。

仮換地の役割とは

仮換地の役割は、区画整理事業期間中の地権者の生活や事業活動を支えることです。
仮換地を指定することで、地権者は事業期間中も土地を使用でき、建物などを建築することも可能です。

区画整理事業における仮換地

区画整理事業が開始されると、従前地は工事のために使用できなくなります。
そこで、事業施行者は地権者に対して仮換地を指定し、その土地を使用できるようにします。
仮換地は、事業の進捗状況に応じて変更される可能性もあります。

保留地と仮換地の違い

保留地と仮換地は、どちらも区画整理事業に関連する土地ですが、その性質は大きく異なります。
保留地は事業施行者が所有し、売却によって事業費を調達する役割を担います。

一方、仮換地は地権者が使用できる土地であり、事業期間中の生活や事業活動を支える役割を担います。
保留地は事業施行者の所有物ですが、仮換地は地権者が使用権を持つ土地であるという点が、最も大きな違いです。

まとめ

今回は、土地区画整理事業における「保留地」と「仮換地」の違いについて解説しました。
保留地は事業施行者が所有し、公共施設用地や事業費の調達に利用されます。

一方、仮換地は地権者が事業期間中、従前地の代わりに使用できる土地です。
両者は異なる役割を持ち、区画整理事業の円滑な進行に貢献しています。
これらの違いを理解することで、不動産投資におけるリスク管理や収益性の向上に繋がるでしょう。

特に、保留地の売買には担保設定の制約があるなど、特有の注意点があることを理解しておくことが重要です。
仮換地は、事業完了後に本換地になることが一般的ですが、その過程で面積の減少(減歩)が発生する可能性も考慮する必要があります。
これらの点を踏まえ、投資判断を行うことが大切です。

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